ギターの速弾きをやるための基本はコードストロークにあります。
「安定したスムーズなコードストローク」
「素早く軽快なカッティング」
「スナップピッキングでの速弾き」
この記事を読んで練習していただければ、皆さんの理想の右手に近づけます。
ストローク練習というと初心者の話のようですが、速弾きにも重要です。
速弾きを目指す中級者の方もぜひ参考にしてください。
練習のコツを3つにまとめて解説します。
コードストロークを安定させて、高速スナップピッキングをマスターしましょう。
脱力と力みを理解して体の動かし方を鍛える。
ギターの教則本には『力まず脱力しよう。」と書いてあることが多いです。
全体が脱力していたらどの筋肉で動かしてよいのかわかりませんね。
これがストロークがぎこちない、スピードが上がらない、リズムが乱れる原因です。
教則本を書くような方はギターの天才です。
天才は自然にできてしまうから「脱力」の一言だけで終わらせてしまう気がします。
凡人の私には、脱力を理解するのに時間がかかりました。
ある日「力みがあるから脱力がある」ことを理解して、やっとできるようになりました。
なので、凡人の私が地道に研究してきた手順を細かく説明します。
まずは動かす筋肉(力む筋肉)と脱力する関節の関係を知りましょう。
アップストローク=ダウンの先行動作
アップストロークはダウンストロークの先行動作と考えます。
なのでアップから説明します。
1拍目の頭からスタートする場合はカウント1.2.3.4の4拍目の裏がこれでスタートです。
- アップは重力に逆らう動きなので脱力を意識する必要はありません。
- 脱力すれば勝手に連動して弾けるようなイメージは間違いです。
- 良いストロークは肘を曲げながら:腕を回転させ:手首を曲げて:しゃくり上げるイメージです。
- 最初はゆっくりと各関節と筋肉の連動を意識して動きを確認してください。
唯一、脱力に近い意識としては指先です。
アップは弦の抵抗を受けやすいので、弦の抵抗をピックで逃がせるようにします。
指先だけは弦に逆らわないようなイメージで、いい感じの傾斜が勝手につくぐらいの力で握ります。
アップにアクセントをつけるときは違いますが、難しいので今回は置いときましょう。
ダウンストローク=着地
- アップは先行動作、ダウンは着地です。
- 肘を曲げていた伸ばしつつ手首を回転させます。
- その勢いで手首を一瞬脱力させて重力に合わせて放り出します。
手洗いをしたときに水をはじく感じです。 - 上腕三頭筋の意識はしなくても重力で肘は伸びるので大丈夫です。
すぐにアップの力を入れる動作に切り替えるので、脱力は一瞬です。
切り替えはバウンドを拾い上げるイメージがわかりやすいです。
ですが、実際は何の跳ね返りもないので力で持ち上げます。
ストロークの軌道が重要。
基本の動きが理解できたら次は良い音にする方法を考えてみましょう。
ギターの弦は最大6本を同時に弾いて、和音を出します。
ただ厳密には1本づつ弾いた音の重なりです。
(例えば、ピアノであれば指を同時に弾けば同じタイミングでなってますね。)
この1つ1つの重なりをなるべく一瞬にすることとがキレを出す要素です。
ピッキングスピードと最短の軌道が重要です。
ピッキングスピードは上のトレーニングを意識して反復練習すればOKです。
最短の軌道とその作り方について説明します。
弦に対するピックの動きからです。
何も考えずに弾くと肘が視点となり円弧運動(黒)になりなます。
弦に対してピックが斜めに入ります。
これでは最短距離ではないですね。
最短の直線軌道(赤→)に近づけるポイントです。
- 肘は固定しない。
- ダウン時はピックの軌道の視点となる肘を若干ギターのネック側に動かす。
- 肩の動きをうまく使って上腕が少し前に動くようにする。
次は弦に対するピックの動き横から(断面)です。
腕の回転を使うのでどうしても円弧運動(黒→)になります。
なるべくまっすぐ(赤→)が最短距離で、どの弦にも均等に当たるので理想です。
腕の回転と同時に肘と手首の動きでまっすぐな軌道を保つようにコントロールしてください。
イメージとしては少しだけボディ側に押し込む感覚です。
レスポールだったらピックガードに当てるイメージ。ほんの気持ちでいいです。
ストロークを単音弾きに移行する方法
ストロークが安定して速くできるようになったら、高速カッティングの練習をしてください。
より細かい体のコントロールとピッキングスピードが上がるようになります。
カッティング練習は別記事で紹介します。
☛【TAB譜】ギターのカッティングでキレをだすコツとの練習方法
高速カッティングもできるようになったら、いよいよ単音弾きです。
手首の回転を利用したスナップピッキングができるようになります。
私はポール・ギルバートを目標に練習しました。
ストロークの振りを小さくしながら弾く弦を狭めていきましょう。
『6~1弦→6~2弦・・・6~5弦→6弦のみ』
これで単音でスナップピッキングができるようになるはずです。
振りが狭くなるごとに、肩、上腕の動き、肘の曲げ伸ばしと動かす箇所が減っていきます。
腕の回転と手首の動きも狭くなってきますが、回転と手首の動きは必ず意識しください。
ブリッジミュートをして、メタルの16連打のような練習も効果的です。
より拘束される箇所が増えますが、手首の振りを意識してください。
もはや腕の回転はおこっていないように感じますが、腕の回転で手首の振りが生まれていることは意識を持ってください。
手首が力んではいけません。
腕の回転で動かし手首はついてくることはストロークと一緒です。
あまりにも高速になるとエルボーピッキングに切り替えることもありますが、今回はスナップピッキングの練習として限界速度にチャレンジしてください。
私はMETALLCAの「ONE」の間奏の6連とかで練習しました。
【まとめ】 ギターのストロークは脱力だけではだめ!!
ギターは脱力だけでは弾けません。
筋肉と関節の動きを意識して練習することで確実に成長スピードが上がります。
脱力について
- 脱力はダウン時の手首に一瞬です。
- 腕の回転ともに重力にまかせ手首の脱力を意識します。
- 脱力は手洗いした後の水をはじく動作と似ている。。
- 連動が非常に難しいので最初はゆっくり意識してやる。
- 脱力=無意識ではないです。意識してください。
力みについて
- アップは重力に逆らうので筋肉が作用する
- 腕の回転は常に必要なので前腕の動きはマスターすること。
おわりに・・・
私はギター歴25年ですが、20年くらい脱力ばかり意識していました。
「力を入れるから脱力が生まれる」ことの重要性に気づいてから格段にスピードが上がり、安定したピッキングができるようになりました。
私の気づきと研究を皆さんにも共有いただければ嬉しいです。
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