突然ですが、ギターの演奏について質問です。
弾いていない弦(余弦)のミュートについて意識していますか?
私はギターを教えていて、「ミュートはどうするの」って聞かれたことはほぼないです。
余弦のミュートの大切さに気づいていない方が多い印象です。
こんな方は要注意です。
私も家での練習がメインなので、小さい音で練習しがちな危険なタイプです。
自宅で練習していて、いざスタジオに行くと音が汚くて衝撃を受けたこともあります。
そんな時に、余弦ミュートに意識を向けた練習をするだけで改善することができました。
知っているのと、知らないのでは明らかに演奏の音に違いが出ます。
本記事を読んで余弦ミュートの大切さを知ってください。
余弦ミュートの具体的なやり方を説明しますので、今日の練習から意識して取り組んでみてください。
エレキギターの余弦のミュートが大切な理由
スタジオに行ってみるとすぐわかりますが、ギターは弾いていなくてもノイズがでます。
置いておくだけでも、変な音がしてきてハウリ出しますね。
それくらい、ノイズの多い楽器なので、弾いていないときはボリュームを0にして防止するのが一般的です。
同様に弾いている最中も、弾いていない弦を鳴らさないようにしなくてはなりません。
そこで必要になってくるのが、弾いていない弦(余弦)のミュートのテクニックです。
注目されにくい地味なテクニックですが、重要なテクニックです。
私も、少し気を抜くと余弦のミュートを忘れて音が汚くなることがあります。
録音するとノイズの多さにびっくりします。
特に歪を多くするほど目立つので、ハードロック/メタル系の人は再確認しましょう。
【左手】弾いていない弦のミュート 具体的な方法
左手の人差し指を寝かせる
通常は左手の人差し指だけは、寝かせ気味のフォームになっているかと思います。
例えば、人差し指で4弦を押せているときは、人差し指の腹で1~3弦に触れておきます。
高音弦側は人差し指の腹でミュートすることを癖づけましょう。
親指で弦に触れる
シェイクハンドの時は、親指で6弦に触れることでミュートができます。
オープンコードのCを弾く時などは、便利に活用できます。
右手を大きくストロークしても、6弦を鳴らすことはなくなります。
押さえている指先で1つ太い弦に触れる
上記の親指のミュートを使用しない場合のオープンコードのCを例にします。
薬指で5弦3フレットを押さえていますね。薬指の先を少しだけ6弦方向に伸ばして触れておきます。
これで6弦がミュートできます。
使用していない指で意識的に触れておく
例えば、4弦と2弦のオクターブ奏法などでは、5~6弦をミュートしなくてはなりません。
使用していない中指か薬指(又はどちらも)をの伸ばして、5~6弦をミュートするようにしましょう。
3弦と1弦は人差し指の腹でミュートしています。
【左手】ミュートの利点と注意点
右手のミュートが使いづらい、コードストロークやカッティングにはとても便利です。
左手もミュートがきちんとできると、右手のストロークをワイルドにやってもクリアなサンドが出せるようになります。
オクターブ奏法で、右手を大きく振っているとライブ映えもいいですね。
注意点として、カッティング(ブラッシング)時などに、フレット上のハーモニクスポイントに触れていると、ハーモニクス音が鳴ってしまうことです。(少しキンキンした音が鳴ります。)
左手ミュートの際は、数本の指で余弦に触れるか、ハーモニクスポイントを避けるなどの注意が必要です。
【右手】 弾いていない弦のミュート (パームミュートなど)
パームミュートで音を止める
右手はパームミュートがメインです。
ブリッジミュートとも呼ばれますが、明確な違いや定義はわりません。
言う人によるニュアンスの違いだと思います。
個人的には、ブリッジミュートはリフを弾く時に「ズンズン」な音を出すためのテクニックで、パームミュートは
音を止めるテクニックだと思っています。
なので、本記事ではパームミュートと呼ばせて頂きます。(やることはほぼ一緒です。)
やり方は、手のひらの手刀の部分を常に弦に触れておく意識です。
例として、3弦をオルタネイトピッキングしている場合で説明します。
4~6弦はパームミュートをして音がでないようにします。
とは言え、右手をグッと固定してピッキングに悪い影響が出ます。
固定せずに4~6弦上で手が擦れているよなイメージで構いません。
実際は手の皮がある程度追従するので擦れていないと思います。
1~2弦は左手でミュートして、4~6弦は右手のパームミュートを使用します。
ピックを持っていない中、薬、小指を利用する
上記の3弦をオルタネイトピッキングしている場合では、1~2弦を左手でミュートすると記載しました。
左手のフィンガリングしだいでは、左手ミュートは難しい場合もあるかと思います。
その場合は、右手の余っている指で1~2弦に触れておきます。
この場合も、ピッキングに影響が出ないように固定しすぎないことに注意です。
ピックで弦に触れる。ピックストップ
ミュートというよりは、音を切る技になります。
弦を引いた後に、ピックを弾いた弦に当てて音を切ります。
スタッカートや音価をコントロールする為に便利です。
強めにピッキングして止めると、かなりインパクトのあるエッヂのきいた音がだせるので、ギターソロなどには覚えておきたいテクニックです。
ポール・ギルバート先生などは良く使う技ですね。
【右手】ミュートの利点と注意点
単音弾きや速弾き時には右手のミュートが不可欠です。
また、パームミュートは手の置く位置によってハーフミュートやブリッジミュートになります。
音色をかえることができるので、表現力の幅が広がります。
ミュートの加減を自由にコントロールできるように練習しましょう。
6弦に渡るような弦移動の激しいマシンガンピッキンウやスウィープの場合は、低音弦にハーフミュートかけることを良くやりますね。
注意点は、固定しすぎない、押し付けすぎないことです。
右手を固定すると上手なピッキングができなくなります。
例えば、常に5~6弦のブリッジ付近に手てを固定することは良くないです。
1弦を弾く時は、1弦を弾き易い位置に手ごと動かすようにします。
とうぜん、5~6弦のパームミュートをする手の位置は変わります。
右手を固定をすると、ピッキングは上達しなくなるので注意してください。
かつての私はこれで大きな失敗をしました。
タッピング時の特殊な テクニック
ライトハンドタッピング時のミュート
ライトハンドタッピング時は、右手も指版側に来ていますのでパームミュートも使えません。
腕や手の平を利用して低音弦側をミュートしましょう。
高音弦側は、左手でミュートします。
オーバーハンドタッピング時のミュート
左手がオーバーハンドになると、ミュートができなくなります。
左手の小指をベタッとして、6弦全てをミュートするようにしましょう。
8フィンガータッピングのミュート
ギリギリ右手の腕は使えそうですが、限界があります。
もうあきらめて、後述する便利グッズに頼りましょう。
ライブであればパフォーマンスも込みで、ボーカルさんにミュートを任せる技もあります。
写真はそのパフォーマンスの例です。
音をクリアにするお助けグッズ
フレットラップを使う
フレットラップはネックにまいて、ノイズや余計なハーモニクス音を消す道具です。
開放弦のサスティーンや音色に若干影響がでますが、メタルなどで気にしなければつけたままでもいいですね。
長さや色など様々なタイプがあるので、ギターになったものを選びましょう。
ヘアバンドやタオルを巻く
フレットラップの代用として、何でも巻いちゃおう作戦です。
昔はヘアバンドを巻くのが主流だった気がします・・・。懐かしい。
タオルはダサいので、家での応急処置としましょう。
ミュートができているか確認しよう。
ノイズについては自宅練習では気づきにくいこともあります。
たまに余弦ミュートができているか確認するようにしましょう。
確認方法は下記の通りです。自分にあった色々なパターンを組み合わせてください。
- 歪を強くして弾いてみる。
- 大きな音で弾いてみる。
- 録音してじっくり聞いてみる。
- スタジオに行ってみる。
- ノイズゲートやコンプレッサーなどのエフェクターをOFFにする
スタジオに行って、マーシャル直刺しでガンガン歪ませてみる。
ハンディレコーダーで録音して家でヘッドフォンで客観的に聞いてみる。
これが、楽しいのでおすすめです。
弾いてる最中は客観的にノイズに注目しましょう。
ハンディレコーダを1つ持っているとお手軽に使えて何かと便利です。
まとめ とにかく余弦ミュートの意識を持つ
ミュートのテクニックを色々と紹介しましたが、とにかく余弦がならないようにすればOKです。
フレーズにより色々な方法を組み合わせて柔軟に対応していきましょう。
ミュートは、保険的に何重にもかけてOKです。
癖になるまで無意識にできるように、日ごろから意識を高く練習しましょう。
余弦ミュートの意識を持つだけで、音の質がグッと上がります。
- ネックは弾き易さと薄さとを追求した極薄Super Wizard シェイプを採用。
- DiMarzioピックアップ。フロント:Air Norton、ミドル:True Velvet、リア:The Tone Zone